四十八(しじゅうはち)

日本の伝統色である藍色。
蒅から生まれるこの色彩は、「藍四十八色」と表現されるほど変化に富んでいます。
藍白(あいじろ)
甕覗き(かめのぞき)
白花色(しらはないろ)
白藍(しらあい)
秘色色(ひそくいろ)
空色(そらいろ)
水浅葱(みずあさぎ)
錆浅葱(さ びあさぎ)
浅葱(あさぎ)



一つ一つの色の名前は、当時の天候や、光の加減など見ている人の状況や主観などにより、
情景や色彩で表現されています。

例えばこのように。
「甕覗き」は甕に張られた水に空の色が映り、それを人が覗き見たもの。
「秘色色」は青磁の肌の色のような浅い緑色。

藍色は、見る人の数だけ幾通りもある色だと思います。

例えばシンガポールから藍染を学びにきてくれた男性は
「軍隊の訓練中、ふと見上げた夜空がとても綺麗な藍色だったから。その色の印象が忘れられない」
と、言っていました。

単に、色を色として認識することを超えて、
色を通して、古来の日本人の感性に想いを巡らせたり、
その日、その瞬間の“自分”というフィルターを通して
自分だけの藍色を感じてほしい、という想いを作品に込めています。